白内障は遠近のピント調節をする円盤状のレンズである水晶体が濁る病気です。早い方では40代から、80代になるとほぼすべての人が罹患している、いわば加齢現象です。しかし皮膚のたるみなどの加齢現象とは異なり、進行すると著しく生活の質が落ちるため、現在の日本では65歳以上のおよそ60人に1人の方が手術を受けていると考えられています。
そんな白内障手術は、近年目覚ましい進歩を遂げています。
安全性は高いが問題も懸念される超音波手術
現在本邦の多くの施設で行われている超音波手術は安全なものではありますが、手術前後の屈折値(ピントの距離)予測の誤差、そして術者の手術手技熟練度のバラつきによる術中合併症などの問題があります。
白内障手術は
- 角膜切開
- 水晶体袋(嚢)切開
- 水晶体分割・超音波による乳化吸引
- 眼内レンズ挿入
の順に行われますが、角膜切開位置のずれや、水晶体嚢の不正切開は屈折誤差を招く可能性があります。また、水晶体分割・吸引は熟練していなければ手術合併症を生じ、術後視力回復が遅れたり、最悪の場合、再手術や視力が回復しないこともあります。
近年は多焦点眼内レンズを使用した白内障手術が増加傾向にあり、より一層精度・安全性の高い手術が求められています。
現在本邦の多くの施設で行われている超音波手術は安全なものではありますが、手術前後の屈折値(ピントの距離)予測の誤差、そして術者の手術手技熟練度のバラつきによる術中合併症などの問題があります。
白内障手術は
- 角膜切開
- 水晶体袋(嚢)切開
- 水晶体分割・超音波による乳化吸引
- 眼内レンズ挿入
の順に行われますが、角膜切開位置のずれや、水晶体嚢の不正切開は屈折誤差を招く可能性があります。また、水晶体分割・吸引は熟練していなければ手術合併症を生じ、術後視力回復が遅れたり、最悪の場合、再手術や視力が回復しないこともあります。
近年は多焦点眼内レンズを使用した白内障手術が増加傾向にあり、より一層精度・安全性の高い手術が求められています。
すべての問題を解決するレーザー白内障手術
これらすべての問題を解決するのがフェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術です。
レーザー白内障手術では超音波の使用は限定され、角膜切開、水晶体嚢切開、水晶体分割のすべてをフェムトセカンドレーザーが行い、搭載プログラムにより、手術前に入力された個々の眼に合わせた切開、分割が行われます。
レーザー白内障手術は非常に優れた手術ではありますが、工程がやや複雑であり、機器が高額(約5000万円)であることが日本において普及していない理由であると考えられます。超音波白内障手術はいかに手術を早く終わらせるかに重きがおかれ、医師の間でも平均執刀時間を競い合う傾向にありますが、これからの白内障手術は、手術計画がオーダーメイドに立てられ、安全・正確・低侵襲に手術が行われ、執刀時間を競い合うような医療とは決別しなければならないと考えます。また、機器が普及することにより、機器の低価格化はかなうものと考えます。
本邦において、都会と変わらない高水準の医療がどこにいても受けられることが求められておりますが、それはフェムトセカンドレーザー白内障手術装置の認知・普及がキーとなると考えております。
これらすべての問題を解決するのがフェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術です。
レーザー白内障手術では超音波の使用は限定され、角膜切開、水晶体嚢切開、水晶体分割のすべてをフェムトセカンドレーザーが行い、搭載プログラムにより、手術前に入力された個々の眼に合わせた切開、分割が行われます。
レーザー白内障手術は非常に優れた手術ではありますが、工程がやや複雑であり、機器が高額(約5000万円)であることが日本において普及していない理由であると考えられます。超音波白内障手術はいかに手術を早く終わらせるかに重きがおかれ、医師の間でも平均執刀時間を競い合う傾向にありますが、これからの白内障手術は、手術計画がオーダーメイドに立てられ、安全・正確・低侵襲に手術が行われ、執刀時間を競い合うような医療とは決別しなければならないと考えます。また、機器が普及することにより、機器の低価格化はかなうものと考えます。
本邦において、都会と変わらない高水準の医療がどこにいても受けられることが求められておりますが、それはフェムトセカンドレーザー白内障手術装置の認知・普及がキーとなると考えております。
白内障手術の変遷
フェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術の登場で、ますます進歩を遂げている白内障手術。これまでの手術の変遷を振り返ってみましょう。
- 1970年代
眼球の直径がおよそ20mmのところ10mm以上を切開し、水晶体を全摘出する手術が行われていました。眼内レンズは普及しておらず、術後には分厚い眼鏡の装用が必要でした。
- 1980年代
眼内レンズが普及しはじめましたが、大きな切開が必要なことは変わらず、術後乱視の増加、視力回復に時間がかかるなどの問題がありました。
- 1990年代
超音波白内障手術装置が普及し、3mm程度の切開で手術が可能なりました。しかし、黒目(角膜)に対する影響が大きく、黒目の浮腫(水疱性角膜症)により角膜移植を要する症例も少なくありませんでした。以降の超音波手術装置の改良により安全性は向上しましたが、術者による手技のバラつきという問題は依然残されています。
- 2000年代
多焦点レンズが登場。眼鏡がなくても日常生活を送れるようになり、生活の質の向上に大きく寄与しています。
- 2010年代
フェムトセカンドレーザー白内障手術装置が開発され、安全・正確・低侵襲な白内障手術が可能となりました。
記事監修:「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師
- 2003年:近畿大学医学部 卒、近畿大学医学部眼科学教室 入局
- 2009年:府中病院 眼科、近畿大学医学部大学院医学研究科 卒
- 2011年:Brien Holden Vision Institute Visiting Research Fellow
- 2012年:近畿大学医学部 助教
- 2014年:近畿大学医学部 医学部講師
- 2016年:医療法人翔洋会 理事長 平木眼科 院長
- 2018年:南大阪アイクリニック 院長
クリニック情報
- 所在地:大阪府泉南郡熊取町大久保北3丁目174-6
- 電話番号:072-453-1750
- 診療時間:9:30~12:30、14:30~17:30
- 休診日:木曜午後、土曜午後、日曜
- 導入機器:フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、「LenSx」、術中波面収差解析装置「ORA System」、白内障手術ガイドシステム「Verion」、超音波白内障手術装置「CENTURION VISION SYSTEM」など
記事監修
「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師
略歴
2003年近畿大学医学部眼科学教室入局。府中病院(和泉市)勤務、オーストラリア留学を経て、2014年より近畿大学医学部講師として白内障・角膜外来を担当。2016年より現職。
渡邊医師YouTubeチャンネル:
クリニック情報
- 所在地大阪府泉南郡熊取町大久保北3丁目174-6
- 診療時間9:30~12:30、14:30~17:30
- 休診日木曜午後、土曜午後、日曜
- 導入機器フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、「LenSx」、術中波面収差解析装置「ORA System」、白内障手術ガイドシステム「Verion」、超音波白内障手術装置「CENTURION VISION SYSTEM」など