白内障手術において使用される眼内レンズには、大きく分けて単焦点レンズと多焦点レンズがあります。多焦点レンズの最大のメリットは、老眼鏡を使用しなくても新聞やスマホが読めるという点です。
一方デメリットについて良く目にするのがハロー・グレア現象に関するものです。しかしながら、ハロー・グレアとはどのようなものなのか。インターネットの情報からだけでは実際のところ想像しにくい点でもあります。
そこで今回は「南大阪アイクリニック」渡邊医師に、ハロー・グレアについて詳しく説明してもらいます。
ハロー・グレア現象とは
暗い場所で光を見ると回りに薄いリングが出るのをハロー、光を中心にスジ状の光が出るのをグレアといいます。ハロー・グレア現象は主に多焦点レンズを使用した際に出てくる症状ですが、白内障になっている目やドライアイなどでも感じることがあります。
目の状態によっては単焦点レンズでもハローの自覚が出る場合がありますが、仮にここではまったくハローがないものとします。
①はハローのないものです。②はアクティブフォーカスという2焦点レンズを使用した方が感じるハローの平均、③はパンオプティクスという3焦点レンズを使用した方の平均です。
ハロー・グレア現象の生活への影響
重要なことは、近くが見やすくなればハローは大きくなる傾向にあるということです。年齢や性格、生活スタイル等によって気になる、気にならないが分かれてきます。
私のクリニックではハローが生じることによって、皆さんの生活の中で起こるかもしれない問題点があれば、あらかじめ把握できるよう、しっかりと手術前にお話を伺い許容できるかどうか?を相談しながら最終的に使用するレンズを決定するようにしています。
実際に使用した皆さんからは、「確かに見えるけど大丈夫」「ちょっと夜の運転怖いけど近場なら全然問題ない」などのお声を頂きますが、ハロー・グレアがどの程度生じるのかは個人差があります。手術前にどの程度ご理解頂いていたかによっても気になるかどうかが変わってくるものです。
是非手術前にしっかりと多焦点レンズについての理解を深めた上で眼内レンズを選択して頂きたいと思います。
記事監修:「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師
- 2003年:近畿大学医学部 卒、近畿大学医学部眼科学教室 入局
- 2009年:府中病院 眼科、近畿大学医学部大学院医学研究科 卒
- 2011年:Brien Holden Vision Institute Visiting Research Fellow
- 2012年:近畿大学医学部 助教
- 2014年:近畿大学医学部 医学部講師
- 2016年:医療法人翔洋会 理事長 平木眼科 院長
- 2018年:南大阪アイクリニック 院長
クリニック情報
- 所在地:大阪府泉南郡熊取町大久保北3丁目174-6
- 電話番号:072-453-1750
- 診療時間:9:30~12:30、14:30~17:30
- 休診日:木曜午後、土曜午後、日曜
- 導入機器:フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、「LenSx」、術中波面収差解析装置「ORA System」、白内障手術ガイドシステム「Verion」、超音波白内障手術装置「CENTURION VISION SYSTEM」など
記事監修
「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師
略歴
2003年近畿大学医学部眼科学教室入局。府中病院(和泉市)勤務、オーストラリア留学を経て、2014年より近畿大学医学部講師として白内障・角膜外来を担当。2016年より現職。
渡邊医師YouTubeチャンネル:
クリニック情報
- 所在地大阪府泉南郡熊取町大久保北3丁目174-6
- 診療時間9:30~12:30、14:30~17:30
- 休診日木曜午後、土曜午後、日曜
- 導入機器フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、「LenSx」、術中波面収差解析装置「ORA System」、白内障手術ガイドシステム「Verion」、超音波白内障手術装置「CENTURION VISION SYSTEM」など