白内障は遺伝性の病気ですか?遺伝する確率は?
遺伝が白内障の原因になることがありますが、まれなケースです
白内障を発症する原因で最も多いのは、加齢によるものです。早い人では40代から、80歳以上になるとほぼ100%の方がなんらかの白内障の症状が見られるようになります。加齢による白内障はどんな人でも避けられないもので、シワや白髪と同じように目の老化現象ともいえるでしょう。
加齢以外にも白内障の発症原因はさまざまあり、そのひとつに数えられるのが「遺伝」です。ですが、生まれつき白内障の要因を持つ「先天性白内障」の確率は1万人に約3人と非常にまれで、その原因には妊娠中の胎内感染、そして親からの遺伝があげられます。
先天性白内障とは
先天性白内障とは、生まれたときから白内障を発症している、水晶体が白く濁っている状態をいいます。その原因は「親からの遺伝(先天素因)」と、「母体内での感染」に大別され、さらに遺伝に関しては以下の二つがあります。
- 常染色体優性遺伝
両親のどちらかが先天性白内障の遺伝子を持っていた場合、子どもはそれを受け継ぎ、白内障を発症することがあります。
- 染色体異常
遺伝子の突然変異により、正常ではない遺伝子が次世代以降に伝達され、先天性白内障を発症する原因となります。
先天性白内障の治療・手術
先天性白内障は症状の経過に応じた治療が行われますが、水晶体全体が濁っており見え方に問題がある場合は、早急に手術が必要になります。水晶体が濁ったままだと、外からの光が網膜に到達しにくくなるため赤ちゃんの視覚経路が発達せず、弱視になるリスクが考えられるからです。赤ちゃんの見え方に問題があるまま放置することは避けなければならず、早い場合は手術は生後2〜3週間から行われます。
過度におそれることなく、適切な治療を受けましょう
妊娠中の方や小さいお子さんを持つ方の中には、遺伝を心配される方もおられます。確率としては非常に稀ですが、遺伝の可能性は否めないことも事実です。しかし、白内障は手術で治すことができる病気であり、その方法もすでに確立されています。見え方の異変が疑われる場合は、すみやかに信頼のおける医療機関で検査を行ってください。
白内障は誰もが発症する病気で、早めの受診が大切となります。大人も子どもも、早期発見、早期治療に努めましょう。
記事監修:「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師
- 2003年:近畿大学医学部 卒、近畿大学医学部眼科学教室 入局
- 2009年:府中病院 眼科、近畿大学医学部大学院医学研究科 卒
- 2011年:Brien Holden Vision Institute Visiting Research Fellow
- 2012年:近畿大学医学部 助教
- 2014年:近畿大学医学部 医学部講師
- 2016年:医療法人翔洋会 理事長 平木眼科 院長
- 2018年:南大阪アイクリニック 院長
クリニック情報
- 所在地:大阪府泉南郡熊取町大久保北3丁目174-6
- 電話番号:072-453-1750
- 診療時間:9:30~12:30、14:30~17:30
- 休診日:木曜午後、土曜午後、日曜
- 導入機器:フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、「LenSx」、術中波面収差解析装置「ORA System」、白内障手術ガイドシステム「Verion」、超音波白内障手術装置「CENTURION VISION SYSTEM」など
記事監修
「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師
略歴
2003年近畿大学医学部眼科学教室入局。府中病院(和泉市)勤務、オーストラリア留学を経て、2014年より近畿大学医学部講師として白内障・角膜外来を担当。2016年より現職。
渡邊医師YouTubeチャンネル:
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- 所在地大阪府泉南郡熊取町大久保北3丁目174-6
- 診療時間9:30~12:30、14:30~17:30
- 休診日木曜午後、土曜午後、日曜
- 導入機器フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、「LenSx」、術中波面収差解析装置「ORA System」、白内障手術ガイドシステム「Verion」、超音波白内障手術装置「CENTURION VISION SYSTEM」など