白内障手術は日帰りが主流
白内障が進行すると、視力を回復させるためには手術が必要になります。
手術と聞くと、痛みや高齢者のリスク、ご自身の体力を心配される方もいますが、過度に不安を抱くことはありません。点眼麻酔が行われるため痛みはほとんどなく、手術の所要時間は10~20分ほどと短時間。いまでは入院を伴わない日帰り手術が主流になってきています。
日帰り手術当日の流れや費用と保険適用について、術後のケアなどを見ていきましょう。
白内障の日帰り手術
白内障の日帰り手術は、いまでは白内障の手術件数の過半数以上を占めています。
点眼麻酔が行われ痛みもほとんどなく、手術の所要時間は10~20分ほどで、ほとんど痛みもありません。身体への負担もかからないため、休日を利用して手術を受けることも可能です。主に眼科クリニックで行われており、総合病院で可能な施設もあります。
入院することでかえって体調を崩す可能性がある方などは、日帰り手術で普段通りの生活を送るほうが体への負担が少なくなることもあります。
日帰り手術を受けられる方
コントロール不良な高血圧や、糖尿病などの治療中で内科との連携が必要な方でなければ、基本的には日帰り手術が可能です。まとまった休みは取りにくい、入院するのが気分的に負担と思われる方には、日帰り手術は大きなメリットといえるでしょう。
付き添いの必要性
原則、付き添いの必要はありません。ただし、当日は手術終了後に、治療した目に眼帯をするため、視野が狭くなります。高齢の方や体が不自由な方は、付き添いがあったほうが安心です。
また、術後の車の運転は厳禁です。車を運転して通院する必要がある方は、付き添いの方に運転してもらいましょう。
白内障日帰り手術の費用~保険適用の条件
白内障の日帰り手術では入院費が発生しないため、同じ手術を受けても費用総額は入院手術よりも安くなります。
費用は、受ける手術の術式や眼内レンズの種類、加入している健康保険の自己負担割合額によっても異なります。詳細は通院先の医師やスタッフに確認するとよいでしょう。
保険が適用される手術なのか、それとも適用されない手術なのか、白内障の手術費用はここで大きく差が出ます。白内障手術において、保険が適用されるのは単焦点レンズの挿入手術のみです。多焦点レンズの場合は保険適用外になります。
以下は、一般的な保険適用手術である「単焦点レンズ+超音波手術」における参考費用です。
単焦点レンズでの日帰り手術(超音波手術)費用目安
自己負担割合1割 | 片目約1万5千円 |
自己負担割合2割 | 片目約3万円 |
自己負担割合3割 | 片目約4万5千円 |
また、保険適用の手術を行う場合は、世帯収入や年齢によって限度額が設定されています。申請しておくと、一定額以上の支払いは免除となりますので、手術の前にはこちらもご確認ください。
医療保険・県民共済の適用
白内障の日帰り手術に対応した医療保険や県民共済のプランに加入していれば、手術を受けた後に給付金を受け取ることができます。手術後、必要な書類をそろえて申請することで、手術にかかる自己負担金を軽減できるため、事前に確認しておきましょう。
また、厚生労働省の認定を受けた医療機関で先進医療での手術を受ける場合、ご加入中の医療保険に先進医療特約が付帯されていれば給付金が支給されるため、こちらも事前に保険会社に確認しておきましょう。
(※2020年1月追記)多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は先進医療から外れ、保険診療+選定療養として行われることが決定しました。下記の記事を合わせてご確認ください。
手術当日の流れ
手術を受ける医療機関によって異なるところもありますが、おおむね以下の流れとなります。
- 来院
決められた時間に受付を済ませます。
- 状態確認と準備
血圧測定や体調不良がないかなどの検査を受け、数回に分けて瞳孔を広げる目薬(散瞳薬)と麻酔の目薬を点眼し、手術の準備をします。
- 手術
麻酔の目薬をさした後、手術室に入ります。手術台の上ではなるべくリラックスして、医師や看護師の指示に従いましょう。手術自体は、準備や術後の処置を含めて20分ほどで終了します。
- 帰宅
術後に全身状態が安定していることを確認できたら、帰宅します。帰宅して不調がある場合には、無理をせず指定の連絡先に問い合わせましょう。
日帰り手術の注意点
日帰り手術を受けた帰宅後の過ごし方には、いくつか注意すべき点があります。医師の説明を守り、ご自身の身体を大切にケアしましょう。
- 眼帯や保護メガネを使う
医師の許可が出るまで、眼帯などの患部を保護する用品を使い、患部を触ってしまったり、ほこりなどが入らないしてください。
- 術後1週間はお化粧を控える
手術から1週間も経てば、傷口は閉じていますが、直接目を触る可能性があるお化粧は、念のため1週間程度控えるのがよいでしょう。
- 2週間程度はスポーツを控える
お散歩や近所での買い物程度であれば翌日から許可が出る場合もありますが、軽い運動は2週間、激しい運動は1ヶ月程度控えるのが目安です。
お酒は?入浴は?日帰り手術後のQ&A
白内障の手術後の過ごし方について、よくあるご質問をまとめました。手術を受ける前に、気になる疑問はあらかじめ解消しておきましょう。
日帰り手術ならではのさまざまなメリット
日帰り手術は、白内障手術の主流となってきており、入院手術と比較して、拘束時間や費用面など多くのメリットがあります。帰宅後の過ごし方は医師の指導に従い、無理をせずゆっくりと過ごしましょう。