白内障と診断され、手術が必要となった。そのような場合、手術に対して不安を覚えることは当然です。しかし、白内障の手術は安全性が確立された分野であり、手術自体も非常に短時間のうちに終了します。「手術が失敗したらどうなるのか?」と心配しておられる方々が、少しでも安心して手術に臨む一助となるよう、白内障手術の失敗について解説していきます。
白内障手術で失敗しないために
白内障の手術は数えきれないほど多くの成功実績があり、手術の方法も機器も十分な進化を遂げています。そのため、技術面での失敗はほとんどないと考えてもよいでしょう。では、稀なケースでの失敗例とはどのようなものなのか? 手術のリスクについて考えてみました。
白内障手術に「失敗」はほとんどない
白内障の手術は、単焦点・多焦点あわせて年間に約150万件行われている、きわめて安全性の高い手術です。受けた方の大半が「あっという間に終わった」と感じるほど短時間で終了し、手術中の痛みを訴える方もほとんどおられません。
そのため手術自体に関しては、失敗することはほぼないと考えても問題ありません。もし失敗例があるとしたら、ごく稀に起こる術後の合併症などが挙げられますが、これも手術自体の失敗ではありません。事前の検査により医師が問題ないと判断したら、どなたも安心して受けていただいて大丈夫です。
「術後の違和感=失敗」ではない
手術後、「目に違和感があるが、もしや失敗したのでは」と不安になる方がおられます。
例えば「光がまぶしく感じる」という方は多いものですが、これは濁っていた水晶体が取り除かれ、以前より多くの光が目に入ってくるようになったためで、慣れると気にならなくなることが大半です。また、「視野の端に半孤状の光を感じる」「目が乾燥する」など、以前と違う見え方や状態に戸惑う方もおられますが、これらも手術後の経過によくあることで、時間が経つと解消されることがほとんどです。
ごくわずかなケースとして、術後の感染症や合併症が起こる場合があります。目の痛みを感じたり、視野の一部が暗く感じるときは、すみやかに眼科を受診してください。ただし基本的には、医師の指示に従い適切に点眼薬を使用している限り、このような症状はほとんど発生しません。
もしも白内障の手術に本当の意味で失敗があるとしたら、それは眼内レンズの選択ミスでしょう。適切なレンズ選びは眼科医にとっての使命であり、優れた術者として必要不可欠な条件です。
白内障手術で失敗しないためのクリニック・医師選び
白内障手術には失敗はほとんどありません。つまり医師は、手術を100%成功させなければならない。100人の手術を担当するのであれば、100人全員成功させなければならない。白内障ラボではそう考えます。
なかでも、手術失敗の原因となる、眼内レンズ選びを間違えてはなりません。眼内レンズの選択は、術後の見え方、しいては術後の生活に直結する、非常に重要な事項です。このレンズ選びの精度を高めるために、現在は技術が進歩し、優れた器械も登場しています。これら器械を医療現場に採り入れているのか、どれだけ最新技術にアンテナを張っているのか。白内障手術で失敗しないためには、クリニックの施術環境の充実に目を向けてみるとよいでしょう。
器械だけでなく、どの医師に手術を担当してもらえるのか。この視点も欠かすことはできません。信頼を置いている医師が、ご自身の手術を実際に担当してくれるのでしょうか? 特に注意を払うべきは、大きな病院で手術を受ける場合です。「大きな病院=信頼できる医師が手術を担当する」とは言い切れません。医療機関の規模や知名度だけにとらわれるのではなく、信頼できる医療機関で、信頼できる医師の手による手術を受けることが大切です。
術後の見え方、生活に直結する眼内レンズ選択と密接にかかわる「手術前検査」。その重要性について、当サイト監修「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師が解説しています。信頼できる医療機関選択の一助として、ぜひYoutube動画もご覧ください。
白内障手術は失敗が少なく、安全性が確立されています
どんな病気であっても、「手術」と聞くだけで不安になるものです。白内障の手術はきわめて安全なものですが、手術の流れや術後の注意点などを担当医師からしっかりと聞いておくことは、精神的に落ち着く手助けとなるでしょう。器械の導入状況や実際に担当してくれる医師など施術環境にも目を向け、信頼できる医療機関を探してください。