目がぼやける、視界がかすむといった症状は、健康な状態であってもたまに起こるものです。特に中高年以降の方では、目を酷使するとピントが合いづらくなる。そんな症状に思い当たる節があるのではないでしょうか?しかし、こうした症状がたびたび起こる、あるいは頻発する場合は少し注意が必要です。症状が続くようであれば、早めに眼科を受診してみましょう。
どうして目がぼやけることがあるんですか?
疲れによることが多いですが、白内障など目の疾患の可能性もあります
目のぼやけ、かすみといった症状には、目の疲れをはじめさまざまな原因が考えられます。40代以降の方の場合に多いのが老眼で、加齢により水晶体の弾力性が低下するために起こります。また、目を酷使したり、過労や栄養不足でピント調節機能のはたらきが衰えることによっても、視界がぼやけることがあります。
老眼鏡をかけても見えにくいという場合は、白内障や緑内障など目の疾患の可能性があります。もやがかかったように視界がかすむ、物が二重や三重に見える、光がまぶしいなどの症状を感じたら、なるべく早く眼科を受診するようにしましょう。
目がぼやける場合の治し方を教えて下さい
目がぼやける原因に応じた対策があります
- 眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていない
度数の合わないメガネやコンタクトを使用すると、目が無理に焦点を合わせようとして眼精疲労を起こし、かすみやぼやけの原因となります。老眼は年齢を経るごとに悪化しますので、老眼鏡をかけても近くが見えにくいといった症状があれば、眼科にて眼鏡チェックをしてもらいましょう。
- ドライアイ
ドライアイも、目のぼやけやかすみ目の原因のひとつです。目を使う作業では、1時間ごとに10~15分ほどの休憩を取りましょう。不足した涙を補う点眼薬の使用もおすすめです。
- 眼精疲労・筋肉痛
蒸しタオルを目の上に当てたり、目の周りの骨に沿って軽く押すようにマッサージをすると、目の周辺の筋肉の緊張がほぐれて眼精疲労が解消されます。
突然視界が白くなることがあります
必ずしも目に起因する症状とは言い切れませんが、片目のみに感じる場合などには眼科を受診してください
突然視界の全体が白くなったり、ギザギザした光が見えるといった症状は、目に起因するものではないことが多いです。例えば、立ち上がるときにくらくらする、光が見えたあとに頭痛がする、といった症状があれば、内科でご相談されるのが良いでしょう。
しかしながら、片目だけが突然白っぽくぼやけてきて1時間たっても治らないという場合には、目の中の血管の閉塞などでもおこる症状ですので、まずは眼科を受診してください。
目がぼやけやすくなるのは何歳からですか?
個人差はありますが、40歳くらいから目の機能に衰えが見られるようになります
年を取ると体の機能は衰えてくるもので、目も例外ではありません。個人差はありますが、40歳くらいから次第にものが見えにくくなってきたり、ぼやけ、かすみなどの症状が発生することが増えてきます。一時的な原因としては、眼精疲労やドライアイ、アレルギーなどによる結膜炎などが考えられます。また、近くのものを見ていると疲れる、近くを見た後に遠くを見るとピントが合ってくるのに時間がかかるといった症状は、老眼でみられるものです。
ただし、この年代になると白内障など目の疾患の発症率も高まってくるため、目のぼやけの原因が病気であることも考えられます。
目がぼやけるのは病気のせいですか?
症状によっては、白内障や緑内障などの病気の可能性があります
一時的な症状ではなく、眼鏡をかけてもぼやけた状態が持続する、頻発するといった場合には、目の病気の可能性が疑われます。なかでも、70歳以上の約8割が発症するとされている白内障は、視界がぼやけ、まぶしさを感じる症状が特徴です。白内障は自覚症状に気づきにくい病気であるため、症状が顕著に出ている場合はある程度進行している可能性も考えられます。
緑内障も自覚症状があまりない病気ですが、急性の場合は目のかすみと同時に痛み、充血、頭痛、嘔吐などをともないます。また、糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症が進行した場合も、視力が低下する、視野が欠ける、視界がぼやけるなどの症状が見られます。
目がぼやけるときは病院に行った方がいいのでしょうか?
症状の度合いによるものですが、早急に眼科を受診すべき場合もあります
症状が一時的なものか、持続的なものなのか。また、症状の重さによっても病院を受診するタイミングは変わってくるものです。ぼやけた状態が続くときや頻発するとき、痛みを伴うときなどは、すみやかに眼科を受診してください。
なお、目の病気の種類によっては急性のものがあります。数時間や数日単位で急速に症状が悪化してきた場合は、急ぎの対処が必要となる場合がありますので、すぐに医師の診察を受けてください。
白内障になるとどうなるのか?どのような症状が現れるのか?こうした疑問について、当サイト監修「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師が回答しています。Youtube動画もぜひご覧ください。
記事監修:「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師
- 2003年:近畿大学医学部 卒、近畿大学医学部眼科学教室 入局
- 2009年:府中病院 眼科、近畿大学医学部大学院医学研究科 卒
- 2011年:Brien Holden Vision Institute Visiting Research Fellow
- 2012年:近畿大学医学部 助教
- 2014年:近畿大学医学部 医学部講師
- 2016年:医療法人翔洋会 理事長 平木眼科 院長
- 2018年:南大阪アイクリニック 院長
クリニック情報
- 所在地:大阪府泉南郡熊取町大久保北3丁目174-6
- 電話番号:072-453-1750
- 診療時間:9:30~12:30、14:30~17:30
- 休診日:木曜午後、土曜午後、日曜
- 導入機器:フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、「LenSx」、術中波面収差解析装置「ORA System」、白内障手術ガイドシステム「Verion」、超音波白内障手術装置「CENTURION VISION SYSTEM」など
記事監修
「南大阪アイクリニック」渡邊敬三医師
略歴
2003年近畿大学医学部眼科学教室入局。府中病院(和泉市)勤務、オーストラリア留学を経て、2014年より近畿大学医学部講師として白内障・角膜外来を担当。2016年より現職。
渡邊医師YouTubeチャンネル:
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- 所在地大阪府泉南郡熊取町大久保北3丁目174-6
- 診療時間9:30~12:30、14:30~17:30
- 休診日木曜午後、土曜午後、日曜
- 導入機器フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、「LenSx」、術中波面収差解析装置「ORA System」、白内障手術ガイドシステム「Verion」、超音波白内障手術装置「CENTURION VISION SYSTEM」など